ごきげんはいかがでしょうか。
世界が平等ではないと嘆いていませんか?
あの人はあんなに恵まれている!悔しい!
そんな嫉妬の気持ちが芽生えるときは、誰にでもあります。
同じことを訴えている明治時代の偉人がいますので、紹介します。
「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」
知らない方も多いのですが、実はこの格言は人間の平等を伝える言葉ではないんです。
世界が平等ではないと不満を抱えている方は、ぜひ参考にしてくださいね。
天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず
今回紹介する格言は、福沢諭吉が書いた「学問のすすめ」の冒頭部分です。
福沢諭吉は一万円の肖像画や、慶応義塾大学の創設者として有名ですね。
しかし、学問のすすめはどんな本なのか知らない方が多いのではないでしょうか。
学問のすすめは明治時代初期の本です。
明治時代初期は長かった江戸時代が終わり、日本が現代に向かい進みはじめます。
そんな時代だからこそ、江戸幕府の古い習慣を取り去り、世間の人たちを正しく導くために書かれました。
学問のすすめは出版から100年以上経過した今でも、とても勉強になる本です。
原文では正直読みにくいので、現代語訳がおすすめです。
冒頭部分には続きがある
今回の格言には続きがあるのをご存じですか?
冒頭部分を青空文庫より抜粋して、引用します。
「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」と言えり。されば天より人を生ずるには、万人は万人みな同じ位にして、生まれながら貴賤きせん上下の差別なく、万物の霊たる身と心との働きをもって天地の間にあるよろずの物を資とり、もって衣食住の用を達し、自由自在、互いに人の妨げをなさずしておのおの安楽にこの世を渡らしめ給うの趣意なり。されども今、広くこの人間世界を見渡すに、かしこき人あり、おろかなる人あり、貧しきもあり、富めるもあり、貴人もあり、下人もありて、その有様雲と泥どろとの相違あるに似たるはなんぞや。《福沢諭吉 学問のすすめ 青空文庫より》
ちょっと難しい言い回しなので、ざっくり噛み砕いて説明しますね。
人間は生まれながらにして平等って言うけどさ、貧富の差とか身分の違いがあるよね?
この格言は人間が平等であると言っている言葉ではありません。
冒頭部分だけが一人歩きした結果、全く正反対の意味で伝わってしまっているんです。
ここで気になるのは「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」って誰が言ったかということではないでしょうか。
諸説ありますが、アメリカの独立宣言を参考にして冒頭部分を作成した説が有力です。
読み進めて理解するタイトルの意味
人間は平等ではないことを冒頭で伝えた諭吉先生です。
この先はどんなことが書かれているのでしょうか。
再び青空文庫より抜粋して、嚙み砕いて紹介します。
『実語教』に、「人学ばざれば智なし、智なき者は愚人なり」とあり。されば賢人と愚人との別は学ぶと学ばざるとによりてできるものなり。《福沢諭吉 学問のすすめ 青空文庫より》
貧富や身分の違いは、ズバリ学問だよ!
諭吉先生はこのように明言しています。
貧富の差や身分の違いをなくすことができるから、おいらも学問をおすすめします。
学校で学ぶ内容だけが学問ではない
「学問のすすめ」は学ぶきっかけを与えるだけではなく、学び方も紹介しています。
江戸時代は現在では想像できないほど、厳しい道徳教育がされていました。
その教育方針を批判し、現代に合う合理的なものに変えようとしています。
時代はどんどん変わっています。
学び方も時代に沿うように、どんどん変わっていかなければいけません。
先生や上司に言われるまま勉強するのはおすすめしません。
社会人の方に質問しますが、学校で学んだことって社会に出て役に立っていますか?
例えば数学の微分積分は専門的なお仕事であれば使いますが、ほとんどの方は忘れてしまっていると思います。
教科書に書かれていないことも、大切なことはたくさんあります。
たくさんの本を読むには、読書を趣味にするのがおすすめです。
こちらの記事では、読書を趣味にするメリットとデメリットを紹介しています!
学ぶことは自分を守ること
残念ながら江戸時代の封建制度が、そのまま社風として残っているような会社や組織が存在します。
上司の言うことは絶対で、自由に行動することを禁じられていませんか?
ガミガミ叱られ早朝から夜遅くまで長時間働かされていると、自分で考えることが嫌になります。
企業にお勤めの方だけではなく、結婚してご家庭に入っている専業主婦の方も同様です。
どうか自分自身の意思を尊重してください。
たくさんの本を読んで知識を身に付けることは、自分の身を守ることにつながります。
いろいろな人の意見を聞けるように、複数のコミュニティに所属するのも大切です。
複数のコミュニティに所属する重要性はこちらの記事でも紹介しています!
まとめ
今回は「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」という格言を紹介しました。
諭吉先生の言う通り、人間は平等ではありません。
しかし、貧富の差や身分の違いは、学問をすることで埋めることができます。
知らないことで損をする時代です。
知識を身に付けることで、ご自身の身の安全が守られることを祈っております。
ご多忙な中、おいらのブログにお越しいただき、ありがとうございました。
また、さらには最後まで読んでいただき、感謝感謝でございます。
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それでは、またのご来訪を心からお待ちしております。